スペイン発で世界最大級のアパレルメーカーZARA。
バイトは、一見、華やかなように思えます。
しかし、見た目とは裏腹に非常にシビアな世界のようです。
バイト経験者が職場の実態を語ってくれました。
仕事内容
仕事内容は、
接客、洋服をたたむ、在庫管理、ストック整理、ディスプレイ(商品の展示)、レジ
の5種類です。
仕事の詳細
ディスプレイとレジは人によっては任されません。特にレジは担当係がいるので、それ以外の人は、繁忙期以外レジに入ることはほぼないと考えてよいです。
レジ係の人以外は、基本的には接客を中心に行いますが、それ以外の業務も山ほどあります。
新作商品が週2回納品されたり、違う店舗内で商品の移動があるので、常に在庫数や何を取り寄せして何を他店舗に送るのかを把握していなければなりません。
ディスプレイは、本社から送られてくるコーディネートサンプルを元に行います。元からある商品と新作商品を上手く組み合わせ、かつ売上が上がるように考えながら作業をしなければならないのが難しいところです。
新作商品が入ると、開店前から退勤するまで1日中ディスプレイ作業に追われます。
新人の成長プロセス
入社後すぐ、ZARAで使用するスペイン語を覚えなければなりません。それも2~3日のような短期間で覚えることを義務付けられるので、かなりプレッシャーになります。
新人でも特に研修のようなものはなく、いきなり売り場に出て働くことになります。
分からない事はしっかり教えてくれますが、自ら聞かないと教えてくれないので、受け身の姿勢でいれば置いていかれることになるでしょう。
まず、挨拶や洋服をたたんだりするところからスタートです。
その後の習得の順序はおおよそ、
店頭での接客や商品整理 ⇒ フィッティングルーム担当 ⇒ 品出し ⇒ 在庫管理 ⇒ 納品 ⇒ コーディネーション(ディスプレイのこと) ⇒ レジ
の流れになります。
一通り仕事を覚えると、接客をやりながら膨大な作業をこなすことになり、半端ない忙しさになることを覚悟しなければなりません。
勤務時の服装
店舗指定の制服がありますが、会社が全額負担してくれますので自分で購入する必要はありません。
アパレルバイトと言えば、勤務時の制服を自費購入させられることが多く、「給料が洋服代に消えてしまう」という悲鳴が多く聞かれるのが現状です。
ZARAのバイトは、余計な出費がなく、給料を丸ごと受け取れるので、その点ではかなり恵まれています。
職場の雰囲気
仕事がかなり忙しいので、スタッフ同士仲良くというのは難しいです。基本、職場の雰囲気はドライで、言いたい事は効率良く伝える必要があります。
常に意見を求められるので、指示待ち人間にはかなり辛い職場と言えるでしょう。
ZARAのバイト評判〜経験者が全てを語る
ZARAで週30~40時間(1日7時間〜8時間、週4日〜5日勤務)勤務していたみいさん(仮名、30代女性)にインタビューし、職場の様子や仕事のやりがい、辛いところなどを教えてもらいました。
どんな人が働いていた?
大学生バイトの20歳前後~30歳までの人が多かったです。
また、男女比は、男3:女7くらいの割合でした
面接時の服装は?また聞かれたことは?
特に指定はされずに、好きな私服で大丈夫でした。また、面接時に服装について聞かれる事はありませんでした。
聞かれたことは、フレキシブルに働く事ができるか、長所と短所、社員を目指すかどうか等です。
ノルマはある?
ノルマはありませんが、従業員と売上目標を達成できるように毎日共有し合います。
売上げを上げるために、満遍なく色々なお客様へ声をかけるように教わりました。例えば、来店してから10秒以内に声を掛けに行ったら、すぐに違う人にも声を掛けるなど、動き回りながらお客様の様子を見るようにと言われました。
店長から怒られたことはある?
店長から怒られた事は何回かあります。
商品整理や在庫管理に追われていて接客をしていなかった時や、売上が悪い時に「コミュニケーションをしっかりとらないから」と怒られました。
仕事のやりがいは?
やりがいを感じた場面は以下の3つです。
・ 数ある洋服の中でお客様に似合いそうな物を提案し着用してもらった時に、感謝の気持ちを伝えて頂いた
・ 自分が考えたコーディネーション(ディスプレイ)を見て手にとってもらえたり、その商品についてお客様にお伝えできた
・ 私が着用していた制服に似たような洋服が欲しいと言われたり、「(私の着ている服が)すごく素敵だから洋服選んで欲しい」と言われた
お客様からのクレームは?
各商品に防犯アラームがついているのですが、針が刺さっている為、それによって洋服に穴が少しあいてしまう時があります。それを購入した方や購入したかったのに在庫が無いと不満の方から怒られた事が何度かあります。
大変なこと
大変なことは2点ありました。
定期的に本社からエリアマネージャーが来て、店頭の隅から隅までと、従業員の接客態度をチェックされます。実際に私たち従業員に直接何か言ってくる事は無いのですが、影から見られていてとても緊張しました。
次に、お正月のセールの時は、品出しと在庫管理の業務が膨大で息をつく暇がないため、かなりの体力を消耗し退勤時には疲れ果ててしまいました。
ZARAのバイトに向いている人
テキパキと自分から行動できる人にとっては、色々な事に挑戦できる場なので楽しいと思います。
また、外国人のお客様など、様々な方が来店するので、色々な人とコミュニケーションを取りたい人におすすめです。
ZARAのバイトに向かない人
何か指示されないと行動できない人には、かなり辛いと思います。常に意見を求められ、実践したか見られるので少しプレッシャーに感じる事もありました。
まとめ
今回のインタビューで、ZARAのバイトに抱いていた華やかなイメージは見事に裏切られました。
予想に反してシビアな世界で、「自分から積極的に仕事を探す」「テキパキ動ける」の2点が備わっている人でないと、生き残るのが難しそうです。
逆に、要領よく作業をこなせる才能のある人や、飲食店のような忙しい現場できびきび動く訓練を受けた人に向いている職場と言えるでしょう。
その上で、常にチャレンジ精神を持ち、「売り上げを伸ばすにはどうすればいいだろう?」と主体的に考えて行動すれば、大きなやりがいを見出せるはずです。
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