「靴屋のバイトに応募したいけど、いったいどんな仕事をするのだろう?」という疑問をお持ちではありませんか?
一般的に、靴屋のバイトは暇で楽だと思われているようです。実際には、靴屋の仕事は多岐に渡り、他のバイトのように「マニュアル通り」というわけにはいきません。さらに、知識をつけるための勉強も必要になってきます。もし間違った思い込みを持ったまま始めてしまうと、「こんなはずじゃなかった!」と後悔することになります。
そんな失敗を防ぐために、靴屋の仕事内容や働いていて楽しいこと・大変なことについて私の経験を基にお伝えします。正しい予備知識を備えておくことで、スムーズにバイトを始められます。
販売
靴の販売は、長時間の接客になることが多いです。長ければ、一人のお客さんに1時間以上かけることなんでざらにあります。足にぴったり合う靴を選ぶ必要があるため、お客さんの相談に乗ったり、納得いくまで色々な靴を試してもらったりするので、接客時間も自然に長くなります。
接客の流れは、まずお客さんが望んでいる靴を紹介し、実際に試してもらい気に入ってもらえれば販売が成立します。例えば、「茶色い幅広のウォーキングシューズで履き心地のいい物で雨にも強いものが欲しい」と言われたら、店内にある靴の中から候補を選んで履いてもらいます。足に合っているかフィッティングを行い、十分に納得してもらった上で購入になります。
接客においては靴の知識が必要になります。店内のどこにどんな靴があるのか、靴のセールスポイントは何かを理解している必要があります。
知識を身につけるために、本や雑誌などで勉強することも大切です。フィッティングの知識、偏平足や外反母趾といった足の健康に関すること、靴の造り、革製品の特長、お手入れ、ファッションの知識といったことは最低限知っている必要があります。
靴に詳しくなることで、お客さんのお悩みを解決してあげることができるようになり感謝されることが多くなります。また、お客さんと長く会話できるようになるので接客が楽しくなります。
靴の知識は当然大切ですが、あまりにそれに固執し過ぎるのもよくありません。お客さんと長時間会話することになるため、専門的な事ばかりでなく雑談してお客さんを楽しませることも必要になります。冗談を言ってお客さんを笑わせられるようなコミュニケーション能力も磨ければ、より購入してもらえるようになります。
発注
在庫が少なくなったり、これから売れると予想される靴を余分に蓄えておくために発注します。発注は店のPCから行います。会社のお金を使うことになりますので、入力ミス等は絶対にしないよう慎重に行う必要があります。
どのサイズを多めに発注するか、売り上げデータを参考にしながら決めていきます。サイズ切れは売り逃しにつながりますので、売れ筋商品の在庫は常にチェックしておきます。
接客していて在庫がなかった商品に関しては、お客さんが希望すれば他店から取り寄せます。
靴の場合、本と違い在庫がないこともありますので慎重に対応しなければなりません。もし他店に在庫がない場合クレームにつながりますので、取り寄せられない可能性もあることをあらかじめお客さんに伝えておく必要があります。
納品
発注した靴がトラックで運ばれてきますので、種類ごとに仕分けし正しい場所にストックしていきます。どこにどんな靴の在庫があるのか、他の人もすぐに見つけられるように並べていきます。
基本的に展示品の下に同じ靴の在庫を置きますが、入りきらずにバックヤードに置くときは、他の従業員にその旨を伝えます。私の働いていた会社は展示品の下にストックしていましたが、デパートのように全てバックヤードに在庫を置いている会社もあります。
靴の展示
靴をどのように展示するかで売り上げが大きく変わります。例えば、入学・入社シーズンは、ローファーやビジネスシューズ、梅雨の時期は撥水加工の靴を前面に出すというように、各イベントごとにPRしたい靴をお客さんの目に留まりやすい場所に飾ります。
展示用の器具を使い、靴を立てたり寝かしたりとキレイに見せることで購入意欲をそそることができます。自分が展示した靴が売れたときの喜びはひとしおです。
POP製作
靴の売れ行きにはPOPも重要になります。どのようなキャッチフレーズを書くか、割引商品にはどんな理由で安くなっているのか、お客さんにわかりやすいように伝えなければなりません。
POPは、セール品や季節物など特にアピールしたい商品につけます。お客さんの目に留まる場所に靴を展示したら、思わず手を伸ばしたくなってしまうような魅力的なPOPを作り売り場を仕上げます。
クリーンネス
クリーンネスは、店舗の内外の清掃はもちろん、展示している靴をキレイな状態に保っておくことも大切です。展示品は常に埃をかぶっていますので、汚れていたらタオルなどで拭き取ります。
特に革製品は、空気中に長く置いておくと劣化が進んでしまいますので、靴クリームなどで定期的にお手入れをしてあげます。クリーンネスをしっかり行うことで、お客さんに気持ち良く買い物してもらえ、売り上げUPにつながります。
修理の受付
私のいた会社は、靴の修理をメーカーに依頼していました。お客さんから靴を預かり、どの部分が故障したのか書類に記入してメーカーに送っていました。主に革のビジネスシューズを取り扱っていました。
他店への靴の転送
処分したい靴は引き受けてくれる他店へ転送します。機械でチェックし梱包して送ります。個数などを間違えたり配送途中に破損したりすると、送り先に迷惑をかけてしまいますので神経を使う仕事です。
レジ
靴屋は割引や特別価格が多く間違いやすいです。実際、割引忘れは何度もありました。常に割引シールが付いていないか神経を尖らせている必要があります。
また、返金処理も面倒くさいです。靴屋は返品が多いので必然的に返金処理が多くなります。また、割引忘れも返金処理してから打ち直す必要があるためしんどかったです。
特に休みの日は大行列ができるので大忙しになります。返金処理などで時間を取ってしまうと、お客さんを長時間待たせてしまうことになりプレッシャーになりました。
靴屋で働くメリット
お客さんと長く話せる
靴屋は、アパレルなど他の販売職よりも、お客さん一人あたりの接客時間が長いのが特徴です。人と話すことが好きな人には天職と言えます。
責任ある任務を与えられる
売り場作り、発注、POP作りといった、他の業種では店長クラスの社員しかやらせてもらえないような責任ある任務を任せてもらえます。バイトでもお店の売り上げに大きな役割を果たすことができ、楽しく働くことができます。
社員割引
自分のお店で売っている靴を社員割引で購入できるのも嬉しい特典です。割引額は企業によって幅があります。
まとめ
靴屋のバイトは、お客さんと長時間にわたって会話ができるので、人と話すのが大好きな人には楽しい仕事です。新しい靴に出会えるのもうれしいですね。「靴が好き」「靴屋さんで買い物するのが楽しい」人におすすめです。
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